新規水槽の立ち上げ方の Q&A記事などは、アクアリウムを始める方にとって非常に重要ですし、頼りになりますよね。
ただ、いまだに「水を張って1週間エアレしたら魚を入れてOK」なんていう記事や、そういうことを言うショップもあるので、膨大な情報から正しいものを選択するのはなかなか難しいです。
ここでは、私がいつもやっている立ち上げ方(古臭いやり方?)をベースに、基本部分のポイントを押さえて紹介しようと思います。
外部フィルターの使用を想定していますが、立ち上げの考え方自体は底面フィルターや上部フィルターなどの場合も同じです。
ただし 底砂が砂利系の場合 に限ります。
(「ソイルの性質を利用した立ち上げ」は ソイルの種類によっていろいろなタイミングが変わってくるので書けません…)
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まずは硝化作用の立ち上げから。
- 砂利または砂を敷きます。
- 水を入れて、ヒーター、エアポンプ、フィルターなどの機器をセットしたら、電源ON です。
- 水漏れがないかをチェックして、エアレ全開。水の濁りが気になっても「白濁除去剤」は使いません。
- 魚は居ませんが、立ち上げ完了後に飼おうと思っている魚にあげていると想像して、その分量(またはそれ以上)のエサを毎日入れます。立ち上げ完了時期に向けて、pHの調整などはこの期間で安定させます。基本、水換えナシですが、水質調整のための水換えを少しずつ行うこともあります。
- 上記4.を約5~6週間続ければ硝化作用の立ち上げ完了!! 全開のエアレもここから調節します。
パイロットフィッシュの代わりに魚のエサを使うので、うまく立ち上がらないことがあっても焦らずにやれますし、魚に苦しい思いをさせることがないことがメリットですね。
最初は何のバクテリアも定着していないので、エサがカビますし、水槽からニオイがするかもしれませんが、この段階は「残餌などの有機物を分解してくれる細菌」を増やす大事な期間なので、ひたすらエアレ全開でガマンです。
どうしてもニオイが気になる場合は、「マジカルウォーターで寄生虫・線虫を駆除」の記事に書いた「マジカルウォーター」を使えば ある程度の消臭もしてくれますので便利です。
そして、有機物を分解してくれる細菌が底砂などに定着するにつれて水カビや残餌は消えていき、アンモニアが発生してきます。
アンモニアの発生とともに、硝化バクテリアの増殖・定着が始まります。
と言っても、そのタイミングは知らなくてよく、いつも通りエサをあげ続けるだけです。
ですので、アンモニアや亜硝酸を試薬で計りながら、という面倒な作業はありません。
この5~6週間の期間は、私は フィルターのメンテは何もしません。
外部フィルター最終段のウールの目詰まり、吸水口の物理濾過用スポンジの目詰まりだけ注意していればOKです。(吐出量をみて詰まり気味なら揉み洗い)
バクテリア剤は要りませんが、どうしても入れたい場合は 個人的にはバイコムですね。
ただし、立ち上げ初期に ちょっとした起爆剤的に使うだけなので、規定量の半分以下で十分です。
その後、脱窒作用も立ち上げたい場合は、硝化作用立ち上げ完了に続いて 通常のメンテナンス(水換えなど)をしながら、「みりん」を添加し始めます。
硝化作用が働いていない状態でみりんを入れても硝酸イオン(NO3–)が存在しておらず みりん添加の意味がないので、このタイミングで始めるのがポイントです。
(みりんの量については「脱窒作用:硝酸イオン濃度を下げる方法」を参照)
P.S.
上記4. の「飼おうと思っている魚にあげていると想像して、その分量のエサを入れる」は、「水草水槽:アオミドロ地獄との戦い(その2):結果…」で書いた、
生体が何も居ないのに どうやって生物濾過を維持しているのか
の答えでもありますね。
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