エアレーションの重要性

この趣味を始めたばかりの人の中には、「エアレーション」と聞いて 「ああ、酸素を送るヤツだよね」と思っている人が多いかと思います。「酸欠にならないようにする」という意味では結果としては合っているんですが、実際には「酸素を送る」わけではありませんよね。

素人考えではありますが、個人的には、エアレーションの目的は2つあると考えています。

水をそのまま放っておくと、まわりの気体(窒素、酸素、水素、二酸化炭素、…)の濃度(分圧)や溶解度などとのバランスをとって平衡状態になろうとします。その助けをするのがエアレーションの一つ目の目的です。ブクブクはさせずに水面を揺らすという手段でもOKですね。

水草水槽では、照明を付けているときは光合成を促進させるために CO2 を強制添加して、照明を消したら CO2添加を止めます。そのときの水は、水槽の外の空気とは全然違って、CO2過多の状態です。大量の水草が盛大に光合成していれば酸素も多いかもしれません。
照明を消すと、水草は呼吸(酸素を吸って二酸化炭素を吐く)に切り替わりますので、元々、魚や底床表面/フィルター内の好気性バクテリアがずっと呼吸している状態にこの水草の呼吸が加わると、水草が多ければ多いほど 水槽全体では酸素要求量が急に大きくなります。
魚の数や水草の量が一般的(ごく普通)なら、呼吸によって減った酸素は上記の「平衡状態になろうとする」作用によって自然に水面から溶け込む分で賄えると思いますが、大量の水草がある場合、それらが一斉に呼吸し始めると、自然な溶け込みだけでは追いつかない感じがしています。ですので、そういう環境に限っての話しなのかもしれませんが、このときに酸欠になりやすいと思っています。
ウチでは CO2電磁弁とエアポンプと照明をそれぞれタイマーに繋げていて、電磁弁OFF → (数分後)エアポンプON → (数分後)照明OFF としているんですが、エアポンプに繋げているチューブが何らかの原因で外れていたことが何度かあり、そのときは消灯後少し経ってから 魚が鼻上げしていたので、「自然な溶け込みだけでは追いつかない場合がある」ことを実際に経験しています。このときは当然、バクテリアも酸欠状態の影響を受けていたと思います。(→これを機にエアレーションの重要性を再確認しました)

また、常時測定型のpH計を設置しているので、照明を消すと 水草が呼吸し始めて CO2を吐き出して pHが下がっていくのが分かります。水草の量にもよりますが、意外と早い勢いで下がるので、これを防ぐ目的もあって、消灯とほぼ同時にエアレーションを開始しています。エアレーションしていても最初の20~30分くらいは、その効果よりも「CO2過多+水草の呼吸」のほうが優性なので 少しずつ下がっていき、その後、CO2過多が無くなってエアレーション効果のほうが優性になり、少しpHが戻ったところで安定(魚・水草・バクテリアの呼吸とエアレーションの効果とが釣り合う)します。

二つ目の目的は、
「もしかして発生しているかもしれない硫化水素とかメタンガス」とか、魚やバクテリアが排出している「何か」とか、その他、とにかく「何か分からないけど要らないかもしれないもの」を逃がすためです。(「もしかして」に対して「自分が安心するため」という感じではありますが)
この目的では、「ブクブクさせずに水面を揺らす」という手段では不十分かと思っています。曝気的な意味合い、水を攪拌する意味合い、が強いですね。(攪拌するのは、エアレーションしているときとしていないときで 水の動く方向を変えて、いつも同じ方向・同じ強さではないようにする、という副次的な意味もあります)

というわけで、
(1) 水の状態を安定方向に促すため (酸欠防止)
(2) 余分なガス(もしあったら)を逃がすため
に、エアレーションは非常に重要と個人的には思います。

繰り返しになりますが、水草が大量でない場合は (1) の目的だけなら「水面を揺らす」でいいと思います。酸素供給が目的なら、エアレーションの泡から溶け込む酸素量よりも水面から溶け込む酸素量のほうが圧倒的に多いですし。
ウチでは 大量の水草があり、かつ、(2) の目的もあるので エアレーションしているというわけです。

あと、どなたかのブログで、酸素濃度を測定して正常範囲内でも、夜間エアレーションしないとコケ取り用のヌマエビ(特にヤマト)がポツポツ死していくことが多い、という記事を見たことがあり、その方は、エアレーションをやり出したら死ななくなったと書いていました。生息域からみてもヤマトはミナミより弱い(繊細)ですからね。(ご参考まで)

では、エアポンプはどこのものがいいのでしょうか。やはり、エアポンプと言えば、もう皆さんご存知の「水心 SSPPシリーズ」ですね。
他メーカーのものに比べたら当然静かなんですが、SSPP-2S (水深25cmで3000cc/分) だと少し大きめの振動音がします。ですので、ウチでは、SSPP-2S 1台 をフルパワーで分岐するのではなく、1ランク小さい SSPP-3S (水深25cmで1500cc/分) を複数台 調整ダイヤルを絞って使っています。(このやり方のほうがさらに静かですし、別々に調整・タイマー制御できるので便利です)
また、SSPPシリーズは吐出圧力が高いので、目の細かいストーンを使っている場合でも余裕がある(エア量不足になりにくい)のがいいですね。

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icon水作 水心 SSPPシリーズ
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