水草水槽では、照明の点灯時間が話題(問題?)になることが多いですね。
陰性水草のみの場合はちょっと違ってきますが、一般的には「光量強めで時間短め」という方が多いでしょうか。
育てている水草の性質によって変わりますので、結局は試行錯誤しながら決めていくしかないんですが、水草の種類に依らず 意外と忘れられがちな大事なことが「昼と夜の差をはっきりつける」です。
自然界では、昼は太陽、夜は真っ暗(月明かりだけ)、ですが、この「夜は真っ暗」というのが一般家庭の水槽環境ではなかなかありません。
水槽が置いてある部屋の夜の環境は、窓側からの薄明かり、部屋のちょっとした明かり(常夜灯など)、その他いろいろあって「本当に真っ暗にする」というのは意外と難しいですね。
何かの記事(雑誌?)では「LEDのデジタル時計の光」にも水草は反応してしまうんだとか。
最近は人間の「良い睡眠には…」みたいな中で、ちょっとしたLEDの光でも睡眠が阻害される、という話しもよく言われますが、これは水草にも言えるのではないでしょうか。
以前、ソイル水槽で赤系の有茎をやっていたとき、なかなか本来の赤が出ずに悩んでいた時期があり、丁度そのときに「夜は真っ暗にしないとダメ」みたいな記事を見て、消灯したら光を遮るシートをかぶせることをやってみたら効果テキメンでした。
さらに嬉しいことに、明らかにコケが減りましたね。特に水槽内側の面に付く緑系のコケです。
「弱い光で長時間」が一番コケやすい、というのと関係している感じです。そういえば藍藻も全然見なくなりました。(黒ヒゲは関係ない感じですね)
「夜は真っ暗にしないとダメ」の理由は、光に飢えている状態にしておくと、光があるときの光合成の働きが違ってくる、というものでした。
照明が付いているときも消えているときも中途半端なのがダメだと。
それ以来、このやり方をずっと続けています。今はエキノとクリプトしか植えていませんが、エキノのルビン(ナローリーフ)とかの葉の色にも効果がある感じですね。クリプトの茶系の葉もいい感じです。
今ではさらにそのシートを断熱性のあるものにして、遮光と断熱の一石二鳥にしています。(断熱による電気代節約の効果は具体的には計っていませんが、冬のヒーター稼働の頻度は明らかに少なくなりました)
エアレーションの重要性 で書いた通り、夜間はエアレーションしていますが、このシートのおかげでその音もほとんど聞こえないくらいになりましたので、一石三鳥でしょうか。
デメリットを敢えて挙げるとしたら、タイマーで照明がONになってもそのままにしておくと、この「かぶせモノ」の中の温度が上がることくらいです。(冬の時期はメリットになりますね)
念のため、難燃性のもの(発砲スチロールシートをアルミシートで挟んだもの)にすれば安心して使用できます。
なお、従来の蛍光灯など、熱量の多い照明を使用している場合は危険かもしれません(未経験)ので、ご注意ください。(吊り下げ式の照明なら直接触れないので問題ないでしょう)