私の地域の水道水は 総硬度(GH):6~7゚dH、pH:7.8前後、たぶん全国の平均よりも 総硬度とpHが少し高いくらいだと思いますが、だいたい皆さんこのくらいの水で水換えしていると思います。
私は グリーンドワーフシクリッドを飼育している関係上、RO水をベースに水換え用の水を水槽ごとに合わせて作っているので 簡単に狙った水質通りに作れるんですが、いろいろな事情で RO浄水器は導入できないことのほうが多いですよね。
となると、よく言われている「弱酸性の軟水」で水換えできない、水槽の水質を「弱酸性の軟水」で安定して維持できない、または、思い通りの水質にならない と悩んでいる方も多いと思います。
ここでは、RO浄水器を導入できない事情がある方向けに、その代替法について書きたいと思います。
もちろん、あくまでも代替法なので、RO浄水器を使ったやり方と比べると、メリット/デメリットの両方があります。
pHが思い通りにならない主な原因は
KH(炭酸塩硬度)が高い
です。
アルカリ度が高い
と言い換えてもいいですね。
KH測定試薬で測っているのは 炭酸水素イオン(HCO3–)の量ですが、この中の水素イオン(H+)が 水槽内の環境によって 離れたり またくっついたりして pHを 7.0 付近に引っ張ろうとする(緩衝作用)わけです。
ですので、KHを下げておくと、pHは簡単にコントロールできるようになります。
(簡単に下がりますが、逆に 簡単に上がります)
pHを下げるために 一番簡単で 生体にとっても安全な方法としては、やはり
ピートをフィルターに入れる、または、水槽内にぶら下げる
ですね。
(外部フィルターのような水流の速い場所に入れるのは、水質の急激な変化が起こりやすく、また、pH/KHを低下させる効果の持続性が低く、結果として 水質が安定しなくなるので、あまりおすすめしません)
ピートの成分は腐植酸などの酸性物質なので それ自体 pHを下げますが、同時に 炭酸水素イオン(HCO3–) も消費して KHも下がるので さらに pHが下がりやすくなります。
ピートをどのくらい入れたら pHがどのくらい下がるか は 水槽環境や水道水の水質によって違ってきますので、最初は面倒かもしれませんが 何回か試行して適切なピート量を探す必要がありますね。
試行と言っても、pH計があれば 適正量は 2~3回試せばすぐに分かりますし、狙ったpHになったらピートを取り出す、というやり方でもいいと思います。
「どうしてもピートを外部フィルター内に入れたい派」の方も、いちいちフィルターを開けて量を調整するのは面倒ですので、最初は水槽内にぶら下げて適正量を見つけてから、というやり方のほうがいいでしょう。
ちなみに、RO水をベースに水を作っている私の場合は、40L水槽に 約20gの新品のピートをぶら下げておくと pH が 1.0くらい下がる(pH:7.0→6.0)感じです。
水道水の場合は元々の pH と KH が高めなので、上記の 2~3倍(40~60gくらい?) 必要でしょうか。(地域によってはもっと?)
ここで吸着性の低pHソイルを使わない理由は、必要なミネラルまで吸着してしまう(GH値を下げてしまう)からなんです。(経験済み)
ピートの成分も ある程度は カルシウムやマグネシウムと結合して GH値を下げますが、計測値には現れないくらい微量ですね。(これも経験済み)
この記事をガン見してくださっている方は、水草水槽ではなくて 中型~大型魚やプレコなどの「排泄物が多い魚」をベアタンクや薄敷きの砂で飼育していらっしゃる方、つまり、ソイルを使わない(/使えない)水槽をお持ちの方だと想像して書いています。
「ソイルで水草水槽」なら、GH, KH, pH すべて ソイルがそれなりにやってくれるので、このような悩みは少ないですからね。
生体中心で飼育している場合の水換えは、捨てた分の量を 温度合わせ・カルキ抜きした水道水でドバーッ、という感じだと思いますが、ピートで折角下げた水槽の水の KH, pH を一時的に一気に上げてしまう点が、魚のストレスやダメージを考えるとちょっと不安です。
できれば、水換え用の水を作っておくタンクなり容器なりで あらかじめピートを仕込んでおくことが可能な環境・家庭事情なら、そうすることで 水換え時の水質急変を緩和することができます。
さらに、換える水の量の全部を仕込んでおくのではなく、濃いめのピート水を作っておいて 水換え時に水道水とブレンドしてから水槽に入れる、というようにすれば、仕込み用タンクの置き場所の問題などもクリアできますね。
この辺りは ご自分の環境・やり方に合わせてカスタマイズされると良いかと思います。
「pH/KHマイナス」などのpH降下剤も ちゃんと pHが下がってはくれるんですが、「リン酸」が主成分の商品があると聞きますので、リン(P)はあまり水槽に入れたくないところです。
(水草が入ってなければ問題ないかもしれませんが)
ピートはコスパもよく 生体にも安全ですし、ある程度の殺菌作用や 産卵を促す作用などもある天然のものなので、安心して使えるところがいい点です。
ただ、やはり、RO浄水器を使った水作りと比べると、ピートの適正量の見極めや 水換え前の水作りなど、面倒な点があるのはやむを得ないところですね。
思い通りの水を作りたいなら「RO浄水器」、多少の面倒さが問題なければ「水道水にピート」、もっと簡単にしたいのなら(あまりおすすめではありませんが)「水道水にpH/KHマイナス」、という判断でしょうか。
最後に、
pHを下げすぎてしまったときに備えて、「pH/KHプラス」(マイナスじゃないほう)を 1本持っておくと安心です。(これも経験済み)
なお、総硬度(GH)を上げたい場合は、「セラ ミネラルソルト」を入れるだけです。
100Lの飼育水に 5g のミネラルソルトを入れると、
GH → +1.3゚dH
KH → +0.6゚dH
TDS → +41ppm(=82μS)
と上昇するので、ここから計算していただければと思います。
KHが少し上がるので 必然的に pHも上がりますが、ほぼ無視できるレベルです。
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