私は底床の状態を常に気にしながら水槽環境の管理・メンテをしています。
フィルター内のろ材の汚れ具合と同じくらいに、底床の状態の善し悪しが 水草の育ちや魚の調子などに及ぼす影響が大きいという印象ですね。
底床は第二のろ材 と言われることが多いと思いますが、個人的には「第一のろ材」と肩を並べると言ってもいいくらいですし、また、そのくらいの気持ちで底床の管理をすべきと考えていて、いろいろな経験を踏まえて 私は、生体メインの水槽では 底床は厚く敷かずに 約5mmくらい、魚の動きや水流などで厚い箇所ができてしまっても10mmくらいにしかならない量にしています。
水草水槽の場合でも極力薄く、植える水草の根張りの性質などをみて厚さを決めています。
薄敷きにする理由
一言で言えば、
底床内を止水にしない
ためです。
止水にしないことで
底床内のバクテリアに酸素を供給する=底床内に嫌気域となる可能性のある箇所を作らない
となり、
魚の排泄物などの分解・硝化が十分に機能し、かつ、生体に有害な物質や菌が発生しにくい環境を維持していくことが可能と思っています。
底床を厚く敷いているケースの話しとして、
- 水草がうまく育たない
- 魚が病気になりやすい
- 水槽から変なニオイがする
などがありますが、状況を詳しく聞いていると、これらのほとんどは
厚すぎて管理できていない
ことが原因の場合が多いと思われます。
当面の対策としては、(個人的な考えではありますが)
底床掃除をしっかりやりましょう ではなく
掃除をしっかりやらなければならないほどの厚さには敷かないようにしましょう
と考えます。
「管理=掃除」ではありませんし、管理できていないことを「ちゃんとやろう」と思ったからといってすぐに「ちゃんとできる」ようになるはずはないですよね。
管理のスキルを上げることも重要ですが、その前に
いまのスキルで管理できない状態にしないこと
のほうが優先すべきと思います。
スキルを上げている途中の段階は
生体や植物に無理をさせている状態
とも言えるので、現状のスキルでカバーできることを維持しつつ、無理なく少しずつレベルアップしていくことが重要と思っています。
底面フィルターの場合
少し話しが逸れますが、
底面フィルターのように「強制的に底床中に飼育水を通過させる」方式の場合はどうでしょうか。
底床全体から飼育水を通過させるのは よほど上手に厚みに変化を持たせない限り、基本的には立上がりパイプの根元周辺から吸い込まれる割合が多く、全体に均一に吸い込むというのはなかなか難しいですね。
底面フィルターの使用に慣れている方でなければ、どこかに「淀んだ場所」を作ってしまう可能性が高いです。
特に、水草水槽などでは レイアウトのために底床に傾斜をつけたりすることが多いので なおさらですね。
底面フィルターは 濾過能力という意味ではかなりの効果がありますが、底床を厚く敷いた場合は、それを管理できるスキルがないと危険な状態になる可能性が高いフィルターとも言えます。
最後に
いろいろな経験を経て、私は 一番簡単で危険度が低い「砂利や砂の薄敷き」を好むようになり、いまでは水草水槽以外はすべて薄敷きにしていますが、結果、底床の一番下まで(といっても5mm下なだけですが) 酸素を含んだ水が通り、ゴミも溜まりません。
薄敷きにして一番良かったと思っていることは、魚が
底床の状態を原因とする病気にならない
ことですね。
底床が安定することによって結果的に水質も安定する、ということが大きなメリットだと感じています。
実際に、底床を「薄くしておいて良かった」と後から思ったことは多々ありますが、「厚くしておいて良かった」と感じたことは一度もありません。
これはただ単に私の「厚い底床での経験不足、勉強不足」からくることなのかも知れませんが、特別な理由がある場合を除き、
厚くしたほうがうまくいく根拠(/仕組み?)
が腹に落ちていない今の段階では、その経験を積んで勉強していくことは今のところ多分ないかな、と思っています。
(厚い底床の経験・勉強をすることよりも優先して腕を上げていきたいことがまだまだたくさんありますから…)
なお、砂の奥深くに口先を突っ込んでエサを採るタイプの魚や 砂に潜る習性を持つ魚には 5mmでは薄すぎることがありますが、その場合は、その魚が底床を常に混ぜてくれているので多少厚くしても問題ないことが多いです。
また、水草水槽の場合は、根張りの良い水草を使って 底床内の水の動きなどを 根にやってもらう ことが基本と考えています。
「底床ができあがる」って何?:底床管理を水草にやってもらう話し
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