今回は、RO浄水器の購入を検討されているかた向けに、いままであまり触れていなかったデメリットも交えて、実際の使用イメージの紹介と購入判断のポイントを書きたいと思います。
長い記事になるので、前編と後編に分けます。
まずは前編です。
はじめに
日本の水道水をイオン交換樹脂やRO膜を通すと 純水レベルまで不純物が除去されます。
それ以上に純度を高めたい場合は、RO膜を通した後に さらにイオン交換樹脂を通します(「RO + イオン交換」水)が、淡水魚の飼育においてはそこまでする必要はないと個人的には思っていますので、この記事では「イオン交換水」単体と「RO水」単体、それぞれに絞ります。
イオン交換
設置などの容易さや初期費用などを考慮すると、カーボンフィルターとカチオンフィルターを繋げた「イオン交換システム」が第一選択になるでしょうか。
イオン交換樹脂の種類やその組合せによっては、かなり純度の高い水を作ることができます。
ただ、一般的に普及しているアクアリウム用イオン交換システムの場合は、硬度(GH)が 0 にはならないものもあるようです。
したがって、元の水道水をイオン交換したときに 硬度が 0 になるか、または、狙った硬度になるかは、地域差、メーカー差、イオン交換樹脂の寿命などによって変化しますので、毎回の硬度チェックが必要になります。
硬度チェック後、自分が狙った硬度との差分に応じて、ミネラルの添加量を 都度 加減していくというやり方になりますね。
毎回の計算が面倒ですので、javascriptを使ったページなり Excelの関数なりで、
硬度の差分から 添加するミネラルのグラム数を算出する計算式
を作っておくなどの工夫が必要かもしれません。
RO
「逆浸透膜(RO膜)」は殆ど水しか通しませんが、厳密に言えば、水分子(H2O)より小さいイオンは通り抜けてしまいます。
(生産後の TDS値は、フィルターの寿命がきていなければ ほぼ 0 です)
ただ、その「異物」の量は、淡水魚の水換え用の水を作るための原水としては「全く問題ない」ほど無視できるレベルだと思います。
カーボンフィルターやメンブレンの寿命内であれば、
常に TDS=0~1(ppm) の水が安定して得られる
ことが イオン交換と比較した場合のメリットです。
逆に、初期費用が比較的高価であること、また、水道の水圧が低い場合に「加圧ポンプ」が必要なこと、RO水生産の準備作業(接続等)が若干面倒なことがデメリットですね。
RO水生産の実際の使用イメージ
ここからは、私が「マーフィード エキスパートマリン Z 150」で RO水を生産している手順とその様子を紹介します。
手順としては、
水換え前日:
- RO浄水器を浴室に設置
- 水換えする分のRO水を生産
- RO水の生産が終ったら 片付け
- 就寝前に RO水の入った各タンクに「26℃固定ヒーター」を入れてスイッチON
水換え当日:
- 各タンクに「セラ ミネラルソルト」などを入れて狙った硬度に調整
- 水換え
水換え直後:
- 各水槽に、テトラバイタルや微量元素などを添加
- 必要に応じて、マジックリーフを投入、またはピートを交換
- pHの変動が大きくないことを確認して終了
となります。
エキスパートマリン Z 150 の接続例
マーフィード社のWebページにある組み立て完成図は以下。
組み立て完成図の①の部分は、カーボンフィルターから出てくる管を2つに分岐させて、毎週の通水初期20~30秒の水を簡単に捨てられるようにしておくと便利です。
私の地域の水道は水圧がかなり低いので加圧ポンプが必要です。
組み立て完成図の②の部分に加圧ポンプを接続します。下に震動音低減用にゴム板を置いています。
全体はこんな感じ。①~⑤の順に水が通ります。
水道の水栓部分。
ほとんどの形状の水栓に合うアダプター(↓グレーの部品)が付属しています。
本体には管が5本。右下から出ている水が「捨て水」です。
生産水(=RO水)が出てくる管をタンクに入れます。
就寝前にヒーターを入れて準備完了。翌朝には適温になっています。
前編はここまで。
次回後編は、RO浄水器のランニングコストと、最後のまとめ、購入判断のポイントについてです。
P.S.
水圧の低い状態(4kgf/cm2未満)でのRO水の生産は、RO膜の性能が十分に発揮できないだけでなく、生産時間も2倍ほどかかります。
マーフィード製のRO浄水器の場合、RO膜が有効に働くのは 水圧が 4~7kgf/cm2 のときですね。
加圧ポンプは RO浄水器と同じくらいの値段がしますが、ご自分の地域の水圧によっては必需品となるので、その購入も含めて検討することをおすすめします。
なお、日本国内で買うよりも、ポンプの型番をキーに 海外から通販したほうが安く済むことが多いですが、その場合は ACアダプターの一次電圧(コンセント側)が日本国内に合ったもの(100V~, 50/60Hz)かは必ずチェックしてください。
日本向けと同じ型番のものがあればそれを選べば間違いないですね。
(ACアダプターだけ日本国内で購入するのも一つの手です)
P.S.2
「捨て水」と言っても 水道水の中の「水以外の成分」が増えているだけなので、他への使い道は十分にあり、本当に捨ててしまうのはもったいないです。
庭木や植木鉢があるならそれの水やりなどに使ってもいいですね。
私の場合は 浴室で生産していることもあり、捨て水は浴槽に溜めて有効活用しています。
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