外部フィルターにソイルを入れる(まとめ)

外部フィルターにソイル

外部フィルターにソイルを入れる(追記-2):100均バスケット」の記事で、ソイルをバスケットに入れる方法を紹介したんですが、これをしばらくやってみた感想も含めて、「結局ソイルはどこに入れるのがいいのか」というよりも その原点、「低めのpHを安定して保つ方法(の考え方)」について、ピートの使用も含めて まとめてみたいと思います。

なお、私は 生物学・植物学・微生物学・化学・… などの専門家でもなんでもないので、専門の方が見たら理論的におかしいところがあるかもしれません。
ただ、「これをやってみたら、結果としてこうなった」という事実に嘘はないので、少なくともそういう部分は参考になるかと思います。

まず最初に。

pHが下がらない、または、下げてもすぐに上がってしまう(=安定しない) というのは、単純に考えると、pHを上げようとするモノ(または pH7.0付近で平衡状態にしようとするチカラ)が水槽やフィルターの中に存在し、そちらのほうが勝っているからですね。

その状態でpHを下げるためには、

  • 酸性のモノを入れる(または 入れ続ける)
  • pH降下を邪魔しているモノを排出/吸着する
  • 上記の両方

当たり前のことなんですが、これがベースの知識として必要です。

アルカリ性に傾ける性質の砂や石、pHを7.0付近にしようとするもの(≒KHを高くしているもの)などが水槽やフィルターの中に入っているのであれば、水槽全体のpHを下げてそれを安定させるというのは 難易度が高くなります。

どうしてもそういう砂を使いたい、そういう石を使いたい、そういう液肥を使いたい、だけど pHは下げたい、というのもアリ(→趣味でやっているんだから 基本 何でもアリ)ですが、「そういう状態でpHを下げようとしている」ことは常に頭に置いておく必要がありますね。

例えば、液肥として炭酸カリウム(Wikipedia – 炭酸カリウム)水溶液を 水草が吸収しきれない程の量を添加していて「pHが下がらないんだけど理由が分からない、だけど pH下げたい」というのは、まずはその理由を知ってから、ということになりますね。(炭酸カリウムを添加するのが悪いわけではないです)

では本題に。

ソイルやピートを使ってpHを下げるやり方としては、下記の3通り、そしてその組み合わせになると思います。
(pH降下剤やイオン交換樹脂などでpHやGHを下げる方法は除きます(この記事にはありません))

  1. 外部式フィルター、外掛け式フィルター、サテライト、底面吸い込み式ケース、などに入れる
  2. 100均バスケット (100円じゃなくてもいいですが)に入れる
  3. 溜め水タンクにあらかじめ入れて 調整してから水換えする

一時的にpHを下げるだけならどんなやり方でもいいと思いますが、「低めのpHを 安定して 保つ」ということでは、経験上は (a)(b) のいずれか +(c) ですね。

水換えの頻度が多い場合は (c)だけでいけますが、そうではない場合で長期安定となると (a)(b) のいずれか との合わせ技が必要です。

ウチでは、水草水槽では (a)+(c)、グリーンドワーフシクリッド専用水槽では (b)+(c) にしていて、これでまあまあうまくいっています。(個人的にはまだ満足できるレベルではないですが)

ただ、経験上、外部フィルター内などで強制的にソイルに水を通すやり方(a) は、新しいソイルに入れ替えたときのpH低下が急激になりますし、ソイルの「持ち」(pH降下作用の持続性)も悪い、ということが分かっています。

ですので、水槽内の見た目を気にしなければ、(b)「バスケット方式」がおすすめです。
もうこれよりはpHが下がらない というところまで下がりきるのに 数日かかりますが、変動がゆっくりなので生体にも優しいはず。
水槽内の水流や対流によってのみ「ゆっくりと」水が通り、外部フィルター内に入れたときのように「常にガンガン水を通す」ということが無いので、「持ち」もいいのではないかと思います。

実際 ウチでは、外部フィルターに入れている水草水槽の場合(a)は 平均で 6週に1度、バスケットに入れている水槽の場合(b)は 平均で 8週に1度、という交換頻度です。(水量に対して入れるソイルの量は同じ)
メンテの面倒さ/ラクさ も併せて考えると、ソイルの持ちの悪いやり方のほうがメンテが面倒、ということになり、「ソイルが見えないこと」くらいしかメリットが無い感じですね。
(交換頻度は 2週間しか差がありませんが、「バスケット方式」は入れ替えが本当にラク)

あと、吸着系ソイルとピートを併用すると、(当たり前ですが) ピートの色が出ません。ソイルに吸着されてしまいます。
ピートの「色」は即ち「腐植酸」ですので、併用すると、「ピートの成分(酸性物質)がソイルに吸着され、ソイルの寿命も短くなる」ということになり、「ピート、ソイル ともにダブルでもったいない」状態になりますので、どちらを使ってpHを下げたいのかを 水槽の環境や飼っている魚の適切な水質なども考えつつ決めていく必要がありますね。

「ピートで下げる!」とするのなら「色が付くのがイヤだ」なんて言ってもしょうがないですし、「吸着系ソイルで下げる!」とするのなら 色が付かないのは当たり前ですので、そのあたりの「割り切り」は必要です。
(「色」以外にも 水中に溶け込む成分、水中から無くなっていく成分、の違いなどもありますね)

「割り切り」というか、この2つの併用に限っては 基本的には「二兎は追えない」んですよね。
ピートで腐植酸などの酸性物質を出しながら、一方で それをソイルに吸着させる、なんて無駄なので。

無理矢理考えれば、溜め水タンクを使って、まずは 吸着系ソイルで水の硬度(GH, KH)を一旦下げてからソイルを取り出し、その後にピートを入れる、という二行程でやればいけるかもしれません。
(やったことはないのであくまでも推測ですが、ちょっと面倒ですね)

ウチでは、溜め水タンクに入れる水は RO水の割合がかなり多く 最初から GH, KH が低いので、そういう場合は 吸着系ソイルの必要性は低く、ピートのみでもいい、ということになりますね。

逆に、水道水で水換えする、または、水道水を溜め水タンクに入れる場合は、水道水に含まれる成分をある程度吸着して GH, KH を下げることで pHを下がりやすくする必要があるので、ウチとは逆で、吸着系ソイルのほうが必要性は高くなります。
(ピートもある程度は GH, KH を下げてくれますが)

余談ですが、
やっぱり RO浄水器を買ってよかったなぁ、と思っているところです。
ウチの地域の水道水を使って、今やっていることと同じことをやれ、と言われたら… 多分無理ですね… (時間と体力がもたない&もったいない)
TDSがゼロ(もちろん硬度もゼロ)の水って、そこからすべての可能性を持っているわけなので、後からどうにでも料理できるところが最高です。

閑話休題

さらにもう1点、底床の厚みが大きいほど 低pH維持は難しいと経験上感じています。
「ベアタンクはpHが下がりやすい」というのと逆(理屈は同じ)ですね。
これは、底床が厚いほど「pHの緩衝作用に関係する物質」(酸性物質と化学反応する量)が多く、それによって pHを中性付近に戻す力が ベアタンクなどよりも強く働くからだと思います、特にウチの場合は。

ウチの水草水槽で使っている外部フィルター内のソイル交換スパンが バスケット方式の水槽よりも短いのは、底床の厚みが 7~8cm あることも大きく影響していると思っています。

つまり、

  • ソイルまたはピートをフィルターのみに入れていて、
  • 底床はある程度の厚みがあって、(→底床内でなんらかの微生物やバクテリアが活動していて)
  • 排泄物や排出物などの不純物が多めで、

という条件の場合が、低pHを安定して維持するのが難しい、ということになりますね。

逆に、ウチのグリーンドワーフシクリッド専用水槽のように、

  • ソイルをバスケットに入れていて、
  • 底床は砂を数ミリ程度で、
  • 排泄物や排出物などの不純物が少なめで、

という条件の水槽が、低pHで安定させやすいです。

これ(↑)は、単に「低pHの安定度」だけを言うと、ということですので、どちらが「良い/悪い」ではありません。
どういう場合に安定するのか/しないのか の知識として、という話しです。

結局は、水槽環境(濾過方式(外部/上部/底面/…)、魚や水草の量など)や施肥によるpHの上昇/下降などは、水槽ごとにそれぞれ違いますし、管理している人のやり方もそれぞれ違いますので、実際は「やってみなければ分からない」ですね。

オチが「結局やってみないと分らない」になってしまいましたが、上記のいろいろなリクツを踏まえた上であれこれやってみれば、そんなに悩むことなく「落ち着くところに落ち着く」と思います。

まとめると、決めるポイントは 2つ、

  • 吸着系ソイルを使うのか、ピートを使うのか、併用するのか
  • それをどこに入れるのか(フィルター内 or バスケット or 溜め水タンク or その併用)、(見た目やメンテ性も考えて)

これだけです。(とはいっても全パターンだとかなりの数になりますね)

これらの全部の組み合わせを総あたりでやってみるのもいいですし、それぞれの組み合わせのメリットとデメリットを頭の中でシミュレーションしてから 当たりを付けてやってみるのもいいと思います。

お題を出して終わる、という無責任(?)な記事になってしまいましたが、自分に対するお題でもありますので ご勘弁を。

P.S.
吸着系ソイルは、水中のミネラル分(Mg, Ca, …)を吸着して GH を下げる という印象が強いですが、それ以外のものも吸着します。(ソイルの種類によって程度は異なります)
この性質を持つソイルを常用することのメリットとデメリットについては、近いうちに書きたいと思います。

P.S.2
低pHを維持する方法として「飼育水を酸化させる」(=ある程度の硝酸塩(NO3)を溜める) という話しをたまに見聞きします。
硝酸塩の量によって 低pHを安定的にコントロールするのは、いろいろな意味で かなり高度なワザだと思いますし、良い悪いではなく 個人的にはそれは好まないので ウチではそのやり方はしておらず、常に硝酸塩はゼロ近くにしています。
(硝酸塩の蓄積は ストレス → 病気の元凶、という考えなので)

[雑談]
「長繊維ピート(無調整)」と「軽石(園芸用パミス)」を混ぜてネットに入れた物を底砂の下に埋めておくことで 長期間 低pH(6.0前後)を保っている水草水槽の動画やブログ記事を結構な頻度で目にします。(底床にソイルを使わない場合)
ネットを埋めてあるところは水草を植えずに流木などを置くスペースとして使っている方がほとんどですが、これなら見た目も問題ないですね。
pHが上がってきたら流木をどかしてネット内のものを新品に入れ換えることで維持している、という方法です。
ウチではこの方法は全くの未経験で、どのくらいの長繊維ピートを入れればどのくらいpHが下がるのか、ピートは長繊維じゃなきゃダメなのか、交換頻度はどのくらいか など 全然分かりませんが、基本的な考え方は「バスケット方式」とほぼ同じですね。(入れるものの違いと置く場所の違いくらい)
ただ、底床内に埋めた場合の通水性をどうするのか(→その部分が止水域になってしまわないか など)が やってみないと分からないところです。
自分なりのやり方・さじ加減が決まってしまえば意外とラクかも、という感じがするので、この方法、いつか 水草水槽をもう1つ増やすときがきたらやってみようかな、と考えています。
(30cmキューブなどの小さめの水槽で試してみれば そんなに大変じゃないはず)

icon
iconチョイス F.cube エアリフト式 底面フィルター
icon

icon
iconエーハイムトーフ ペレット 1リットル 専用ネット付
icon

icon
iconセラ スーパーピート 500g 淡水用
icon

icon
icon逆浸透膜 エキスパートマリンZ 150
icon

外部フィルターにソイルを入れる
外部フィルターにソイルを入れる(追記)
外部フィルターにソイルを入れる(追記-2):100均バスケット
外部フィルターにソイルを入れる(補足)
水換え用の溜め水タンクを設置しました